計画停電があるかもしれません。
電気が復旧した今は、節電をもとめられている北海道民。
そして槍玉にあがるパチンコ屋。
経済産業省は「警察庁と協力をして、パチンコ業界に働きかけ、外壁照明の終日消灯、ネオン・看板等の消灯、一部台数の削減等による節電に協力をお願いしました」とのこと。
私、むかしパチンコ屋で働いてたんです。
その立場から書きます。
節電に取り組まないといけない時期に、パチンコ屋がやりだまに上がるのは充分わかる。
開店から閉店前で、私が働いていた当時で13.5時間、何百台という台を稼動させっぱなし。その前後の開店閉店準備を含めると16時間ぐらい稼動させっぱなしになっているし、店内の照明もついている。
それにプラスして駐車場の照明、店舗外観の照明もある。
ましてやパチンコはギャンブル。1日に何万円というお金をつぎ込んでいる人たち。それで家族を苦しめている人たちがたくさんいるのもわかっている。
実際私が働いていたときも、全営業日、朝から晩まで打っている人が何人もいたし、私の親族にもギャンブル依存の人がいる。
一方で。
パチンコホールの就労人口は、約31万人。コンビニの半分のレベル。スーパーマーケットの就労人口43万と比べると、いかに多いかがわかると思う。
これはホールに就労している人の数で、他にも警備の人、店舗に付属している飲食店で働く人、店内清掃をする人、パチンコ台を製造する人、機械のメンテナンスをする人など、たくさんの人が関わっている。その人たちは、すべてパチンコという業界にいてご飯を食べているし、そのお金で家族を支えているのだ。
景品をパチンコ屋におろしている人たちもいる。主にお菓子、タバコ。
お客さんはといえば、パチンコ屋が居場所になっている人もいる。とくに高齢者。
私が働いていた当時はパチンコ4円交換しかなかったけれど、今は1円のところも多い。しばらくパチンコ屋に出入りしていないからはっきりしたことはいえないけれど、1玉1円となると、私が働いていた当時よりずっと高齢者が多いのではないかと想像する。
節電のためにパチンコ屋の営業を自粛しろ、というのは簡単だ。
パチンコはギャンブルだし、多くの人には必要なものではないから。
でも、もしもあなたの家族にパチンコ屋やそれに関係する仕事をしている人がいて、その人の収入で家計を支えているとしたら。あなたが田舎においてきた一人暮らしの年老いた親が、パチンコ屋で1円パチンコを打っていて、それが生きる楽しみだったとしたら。そこにしかしゃべる相手がいなかったとしたら。
さっきの経産省のツイートにも「自粛じゃなくて営業停止させろよ」とレスをつけてる人がたくさんいる。
では営業停止している間、そこで働いている人の給料は誰がまかなうのか。
パチンコはギャンブルだから、電気を大量に消費するから、だからパチンコ屋で働いている人が給料をもらえなくてもいいのか。
パチンコは悪だからパチンコ屋で働いている人も悪なのか。
保育園を運営したり、少年野球大会をスポンサードしたり、少年野球専用の天然芝球場を建設したりしている太陽グループを批難できるのか。
パチンコ屋を擁護するわけじゃない。
もちろん節電したほうがいいと思うし、ギャンブル依存の人が親族にいるとおおいに迷惑だ。
刑法で賭博を禁止しているんだからパチンコ屋が禁止されないのがおかしい、それもわかってる。
でも昔、私はパチンコ屋で働いて、給料をもらって生活していた。
1つのものごとにはいろんな面があるということだ。
9/5(水)に大阪から発送されたゆうパケットが、今日届いた。
台風21号、地震、停電をはさんで4日目には届いたことになる。
すごいね。日本って。
ありがたいね。
(文・吉田一美@火曜日、味しんさんやってるかなぁ。)
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