6月、その昔一緒に仕事をした人が旅立ちました。
仕事をしたのは16年前、当時その方60歳くらい。私26歳らへん。
まだ会社に入って3年目くらいでろくに仕事の仕方もわからない私に、そのだいぶ年上の仕事ベテランおじさんは、いつも丁寧に、でも早口で仕事の仕方を教えてくれました。「いいか?吉田君、これはこうやってここに手配して、こうするんだぞ?おっけー?(^^)」と。
困ったことがあって電話をすると、ひとしきり文句を言ったあと「まぁわかったわ。なんとかするからな。」と言う。その言葉にどれだけ安心したことか。
仕事がうまくまわっていても、トラブルが起きても、いつも明るくて、元気で、頼りがいがあって、経験が多いからかちょっとのことでは動揺しない。もしくは動揺していたのかもしれないけどそれを見せない強さ。
その姿がかっこよくて、私もそんなふうに仕事をする人になりたい、と思ったんです。
その人が私の「仕事の師」。
そして、知ってる方も多いと思いますが、今月、同業他社の女性社長さんが旅立ちました。
同業他社なので、一緒に仕事をすることはなかったけど、同業ということで少ないながら接点はあったわけです。
私が会社に入って、その女性社長さんのことを知ったときに「女性で社長なんてすごいなー、かっこいいなー」と思ったもので、それからもずっとそう思ってきたんです。憧れ、とうのか。
先日お通夜に参列しても、正直実感が湧かなかった。遺影を見てもなんだか不思議な気持ちで「この社長のお通夜に参列する日が来るなんて」と何度も思いました。
年齢を重ねてもきれいで、かっこよくて、しゃきっとしてて、とても素敵な人だった。会うのは年1回とかだったけど、もうその年1回すら会えないのかと思ったら、なんだか寂しい。毎年必ず顔を合わせるそのとき、来年もまた会場でその方を探してしまいそうな気がしています。
ねりこみ、晴れますように。
近い人、大切な人が旅立つたびに、
あー…自立しろってことなんだなと思う。
いろんな意味で。
(文・吉田一美)
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